コーヒーを淹れる際には、豆の挽き方が極めて重要です。
挽き方によってどのように風味が変わるかを今回は詳しくご紹介します。
様々な挽き方がコーヒーの味にどのように影響するかを探りつつ、それぞれの飲み方に合わせた挽き方のコツについてもお話しします。
挽き方で変化するコーヒーの味
コーヒー豆の選び方や淹れ方と同じく、挽き方も非常に重要です。
特にレギュラーコーヒーを飲む際は、様々な挽き方を試して、その違いを感じてみることがおすすめです。
コーヒー豆を挽く理由
コーヒー豆が初めて発見された頃は、豆をそのまま煮て飲むのが普通でした。
しかし時が経つにつれて、豆を挽いてから抽出する方法が一般的になりました。
この方法により、コーヒー豆の成分を効率良く抽出でき、より本来の風味を引き出せるようになります。
現在も豆をそのまま煮る方法はありますが、この方法では時間がかかり、味が酸化してしまいがちです。そのため、粉状に挽くのが一般的です。
挽き方が風味に影響する理由
挽いたコーヒー豆の粒度は小さくなり、その結果表面積が広がります。
これにより、お湯との接触面が増え、抽出されるコーヒー成分の量に影響を及ぼします。
粒度が細かいとお湯がゆっくりと通るため、より多くの成分が抽出され、コーヒーの色や味が濃くなります。
逆に、粒度が粗いと抽出が早く終わり、味は軽やかになります。
このように、挽き方によってコーヒーの最終的な風味が決まるのです。
コーヒー豆の5つの基本的な挽き方
コーヒーを挽く際には、粗挽き、中挽き、中細挽き、細挽き、極細挽きの5つの主要な方法があります。
それぞれの挽き方によって、どのタイプのコーヒーが最適か、特徴を詳しく見ていきましょう。
粗挽き
最も粗い挽き方で、ざらめ状の粒度を持ちます。
表面積が小さいため、不要な雑味が出にくく、苦味も控えめになります。
これにより酸味が際立ち、すっきりとした清涼感のある味わいが楽しめます。
粗挽きの場合、お湯の流れが速いので、ハンドドリップする際には抽出速度に注意が必要です。
【推奨される抽出方法】
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フレンチプレス
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パーコレーター
中挽き
粗挽きよりは細かく、グラニュー糖の粒よりもやや大きい粒度です。
クリアな味わいで雑味が少なく、少し細かい粒度により滑らかな口当たりが特徴です。
家庭でのハンドドリップにも適しており、多くの人に好まれる挽き方です。
【推奨される抽出方法】
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サイフォン
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布フィルタードリップ
中細挽き
中細挽きは、コーヒー豆の挽き方の中で最も一般的な方法で、粒度はグラニュー糖に近いです。
この挽き方は市販されている多くのレギュラーコーヒーに用いられており、抽出速度と成分の抽出が均等に行われるため、初心者でも扱いやすく、バランスの取れた風味を楽しむことができます。
選択に迷った際には、中細挽きを選ぶのがおすすめです。
【推奨される抽出方法】
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ペーパードリップ
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コーヒーメーカー
細挽き
細挽きはグラニュー糖よりも細かく、上白糖よりもやや粗い粒度が特徴です。
この挽き方は市販される粉末よりも細かく、ペーパードリップよりも深い味わいを求める抽出方法に適しています。
コーヒーの苦みと深みを強く引き出すことが可能です。
【推奨される抽出方法】
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水出しコーヒー(ダッチコーヒー)
極細挽き
極細挽きは、コーヒー豆を最も細かく挽いた状態で、上白糖の粒度に近いです。
ほぼパウダー状のこの粉は、抽出することでコーヒー成分が豊富に得られ、特に苦味が強調されます。
通常のドリップ方法ではなく、高圧や特殊な抽出方法が必要です。
【推奨される抽出方法】
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エスプレッソ
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ターキッシュコーヒー
自宅でのコーヒー豆の挽き方ガイド
自宅でコーヒー豆を挽く際の詳細な手順をご紹介します。
通常は自分のミルを使いますが、ミルがない場合の代替え方法も解説します。
ミルの設置
自宅でコーヒー豆を挽くためにはミルが欠かせません。
コーヒーショップで豆を買った際は店頭のミルで希望の粗さに挽いてもらうことができますが、自宅にミルがあれば、好きなときに豆を挽くことが可能です。
豆の状態で保存することで品質を保つことができるため、ミルを使用する利点は大きいです。
ミルには手動と電動の2タイプがあり、それぞれに特徴があります。
手動ミルと電動ミル
手動ミルは手でハンドルを回して豆を挽くタイプで、挽きたての香りや感触をゆっくりと楽しむことができます。
また、電源が不要でどこでも使える上、コンパクトでおしゃれなデザインが多いのも特徴です。
しかし、力が必要で時間がかかるため、大量に挽きたい場合には向いていません。
対照的に電動ミルはボタンを押すだけで素早く豆を挽くことができ、忙しい朝にも扱いやすいです。
粒度を均一にするのも簡単で、価格が高めであることと、サイズが大きいことが欠点ですが、頻繁に使用する方には電動ミルが最適です。
刃の種類とその影響
ミル選びで重要なポイントは刃の種類です。
プロペラ式、コニカル式、カット式の3種があり、それぞれが挽き方や味に異なる影響を与えます。
プロペラ式は価格が手ごろで入手しやすい反面、粒度のばらつきがあります。
コニカル式は細かく挽くことができ、特にエスプレッソを好む方に適しています。
刃が多角的であるため、より多くの風味を引き出すことができますが、微粉が出やすいというデメリットもあります。
カット式は豆を効率的に刻むことができ、速く挽ける上に微粉や摩擦熱を抑えることができます。
これらの特性から、高価なミルに採用されることが多く、コーヒーを本格的に楽しむ方におすすめです。
コーヒー豆の最適な挽き方について
美味しいコーヒーを楽しむためには、豆の挽き方がキーポイントです。
ミルを使えば簡単に挽けますが、正しく挽かないと味が落ちる可能性があるため、注意が必要です。
挽くタイミングは重要
コーヒー豆は挽かれると酸化しやすく、風味が落ちる速度が速まります。
そのため、コーヒーを淹れる直前に挽くことが最も良いとされています。
その都度必要な量だけを挽くことで、常に新鮮な風味を保つことができます。
粉の均一性を保つ
コーヒーを淹れる際、粉の粒度が均一でないと味にバラツキが出てしまいます。
抽出方法や求める風味に応じて適切な粒度を選ぶことが大切です。
特に安価なミルを使用すると粒度にムラが出やすいため、高品質なミルの利用や挽き具合の調整により、より一貫した粒度のコーヒー粉を作ることが重要です。
不純物を除去する
コーヒー豆を挽く過程で渋皮や微粉が発生することがありますが、これらを取り除かないとコーヒーの苦みが増すだけでなく、口当たりも悪くなります。
適切なサイズのふるいで粉をふるって、余分な微粉を取り除くことで、よりクリアで美味しいコーヒーを淹れることができます。
豆の挽き方を学んで、自分好みのコーヒーを楽しもう!
同じコーヒー豆を使っても、挽き方によって味わいや抽出方法が異なってきます。
最初に、自分が求めるコーヒーの風味を理解し、その風味を最大限に引き出す挽き具合を選びましょう。
これが自分だけの絶品コーヒーを創り出すカギです。
ミル選びにも注意を払えば、より高品質なコーヒーが淹れられるようになります。
市販の挽いたコーヒーも手軽で良いですが、豆から自分で挽く楽しさも、ぜひ味わってみてください。